【選択制グローバル研修】沖縄研修


掲載日:2025.01.24

 今年度から新設された沖縄研修が、12月23日~26日の4日間行われました。
 1日目は、那覇空港到着後に昼食をとり、平和祈念堂に向かう途中、バスガイドさんに沖縄の戦争についての説明をいただきました。平和祈念堂では戦時中の動画を視聴し、ガイドさんの説明付きで平和の広場・平和の礎を見学しました。生徒たちは真剣に耳を傾けメモを取っていました。資料館もとても広く様々な資料を1時間以上かけて見て回りました。その後民泊のホストの方と対面し、それぞれの民泊先へと向かいました。

 2日目の朝はホストの方に送っていただき集合しました。「じい~、行ってきま~す!」という声も聞こえ、すっかり家族になった生徒たち。まだ少し遠慮がちな生徒もいますが、用意してくださったプログラムを楽しんだ様子がうかがえました。
 ひめゆりの塔では沖縄戦での学徒隊がどういう運命を辿ったのか、動画や当時の生存者の証言資料を通して学びました。自分たちと同い年くらいの若者たちが過ごした日々を想像し、なぜそうなってしまったのかを考える機会を持ちました。また、糸数アブラチラガマでは真っ暗なガマへ実際に入り、ガイドさんの説明を聞きながら歩き、命の大切さを実感していました。
 「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」は、沖縄の方言で「命は宝」という意味です。これは、戦争を体験した世代から次世代の人たちへ、二度と自分たちと同じ苦しみを味わってほしくないという願いのこもった貴重な教えとして受け継がれていると教えていただきました。生徒一人ひとりが、それぞれの思いを込めて手を合わせました。

 3日目は民泊が終了となり、朝の退村式では教えていただいた三線を披露してくれた生徒もいました。2日間と短い期間でしたが、どのグループも名残惜しそうに話をしていました。その後ブセナ海中公園や美ら海水族館へと向かいました。
 ブセナ海中公園ではグラスボートに乗り、沖縄の海の綺麗さを実感しました。また、水中展望塔では水深約5mの深さまで降り、窓から海中を眺めることができます。1日目と2日目はあいにくの曇天でしたが、本日は雲一つない晴天に恵まれ、沖縄らしい青い空、碧い海を見ることができました。美ら海水族館では大水槽を優雅に泳ぐジンベエザメやマンタなどを鑑賞したり、広い敷地を散策したりしました。

この日の宿舎であるザ・ムーンビーチミュージアムリゾートにはプライベートビーチがあり、白い砂浜で夕日を背景に素敵な写真を取ることができました。夜のミーティングではそれぞれの民泊での出来事や学びを全員で共有しました。
 また2日間の平和学習から、戦争と平和について自分の思うことを発表しました。「『戦争はダメ、反対』ということは最もだけれども、簡単にそれを口にするのは違うと思った」という意見が多く聞かれました。一人ひとりの生徒が、過去に起こった出来事に真剣に向き合い考えました。そして戦争体験を語るのはとても辛いことで、軽い気持ちで聞いてはいけないことだということを、実際に戦争を体験されたご家族がいたホストの方との交流から学び、「自分たちがここで学んだことを他の知らない人たちにも共有していかなくては」と語る生徒もいました。

  最終日は首里城を見学後、国際通りにて自由行動。集合時にはたくさんのお土産を持ってバスに戻りました。本研修は「平和学習」をテーマとし、新設された研修です。沖縄戦という重い歴史をどう受け止めどう考えるのか、心配もありましたが生徒たちはみな真剣に向き合い、「平和」とは何かを今までとは異なる視点で考えることができました。