受験生の皆さんへ/to Student

東北へ思いを馳せる

今月3月1日、東日本大震災のあった2011年の4月に本校へ入学した生徒達が巣立って行きました。

卒業生代表の答辞の中には、在学中に参加をした福幸支援について触れた言葉がありました。
本校では2011年の8月より長期休暇を利用して、福幸支援ボランティアを実施して参りました。道路の復旧作業のお手伝いからはじまり、宅地跡の片付け、側溝の泥だし、「お茶っこ」と呼ばれる寄り添い活動、お祭りのお手伝い、仮設住宅にお住いの方々にクリスマスプレゼントを配って回る「サンタが100人やってきたプロジェクト」、「なりわい」づくりのための支援活動など、様々なお手伝いをさせて頂く中で、自分たちに出来ることを模索し続けて参りました。

先日、岩手大学の先生が講師を務めてくださる勉強会に参加を致しました。「釜石の奇跡」について様々な角度から振り返り、釜石市内の鵜住居小学校や釜石東中学校から犠牲者が出なかったのは、決して奇跡ではなく、「防災教育」と繰り返し実施された「訓練」の結果であったというお話を伺いました。生徒達は地震でパニックになりながらも、自然に体が反応して避難していたそうです。釜石市は三陸沖地震やチリ地震の影響で幾多の津波被害を受けてきた地域のため、幼少期からの防災教育が徹底しており、『自分の命は自分で守ることのできるチカラ』の育成に力を入れて来ました。その成果として、中学生が小学生を背負って避難したり、一次避難所の高さが低いことを指摘して、更に高い場所への避難を促して難を逃れたお話などを伺い、改めて防災教育や避難訓練の重要性を痛感させられました。

今後予想される南海トラフ地震については、駿河湾周辺の地殻のひずみエネルギーが蓄え続けられていることが確かめられていて、大地震発生の切迫性を裏付けているそうです。もっともっと身近なこととして、私達にできる防災や減災について考えていかなければならないと思います。

もう一つ、絶対に目を背けてはならないことがあります。福島第一原子力発電所の事故に纏わる様々な事柄です。発電所の復旧作業、除染作業、避難生活、そして原発避難を理由にしたいじめや差別など、簡単には解決することが出来ない問題について、積極的に関わって考え続けていくことが大切なのです。

東日本大震災から6年、未だに2,500人以上の行方不明の方々がいらっしゃる東北に、私達は今も思いを馳せています。

2017年3月11日
関東学院六浦中学校・高等学校
高校教頭 中田 努