受験生の皆さんへ/to Student

校長室より~本校の英語教育について~

本校は、2015年度入学の中学1年生から英語教育を新しい方法で行っています。

CLIL(クリル:Content and Language Integrated Learning)という教授法に限りなく近い形で英語の授業を展開しています。
HP上ではこれまで積極的にCLILメソッドという言葉を用いて説明してきていませんでしたが、 学校説明会等で紹介を重ねるうちに、いろいろと質問を頂くようになりました。英語入試(中学入試では2016年度から、高校入試では来春2018年度から)の開始もあり、関心をお寄せ頂いていますことに感謝を申しあげ、これまでお寄せいただいた主な質問にお答えし、あらためて本校の英語教育についてお知らせしたいと思います。

Q:CLIL とはどういう学習方法ですか?
A:「内容と言語の統合型学習」と呼ばれる学習方法です。内容を習得目標言語の「英語」で学びながら、同時に、話題の中で使われる語彙や表現で英語そのものを必然的に習得してゆく学び方です。
本校では、教材として教科横断型の内容のテキストを用い、その教材を英語授業の補助教材とするのではなく、英語を学びつつ総合的な学習をするための中心教材として展開しています。
イマージョンという教授法をご存じの方も多いと思いますが、イマージョンはネイティブの先生が英語で授業をする、ある「科目」における授業方法ですが、CLILはネイティブの先生やネイティブではない先生によって、英語と科目の両方の習得を目指す方法です。
本校は、2015年度からの教育改革として中学2,3年生の総合的学習の時間に、学校設定科目の「地球市民」を設置し(2020年以降の大学入試改革への対応も見込んでいます)、本校独自のカリキュラムで探求型の学習を行っています。調べ学習に基づくプレゼンまでを目指す協働の学習です。英語の授業では、間接的に「地球市民」での学習活動に関係する内容も広く扱う教材を用いて英語で学ぶというということで、本校なりのCLILとしています。授業は説明や質問、活動の指示まで全て自然の速さでの英語で行われます。(中一生は、一学期の定期考査は筆記テストではなく、すべてリスニングのテストです。)
授業のシラバス、授業案は、IB教育の経験のあるネイティブ教員チームが中心になって作成しています。

Q:テキストの『TIME ZONES』とはどのような教科書ですか?
A:前の質問に関係しますが、総合的な学習教材として有効な教科書です。現代の社会や社会の問題を多面的に扱うCengage Learning 社の出版の教科書です。『TIME ZONES』 のトピックと内容は、National Geographic Learning 社が世界の話題の中から学習者のレベルに合わせて提供しています。各レッスンは、時事問題・歴史・文化や生活・地理などの社会学系の話題や、気候・自然・地球環境・動植物・物理や化学などの自然科学系の話題を材料にしています。
この『TIME ZONES』を用いる授業では、教材のメリットを最大限に引き出す方法で展開していることが特色です。普通科の学校では、英語の授業時間数の多くても半分がNativeの先生による別教材での英語授業という形態が主流ですが、本校の場合、中学一年生は週6授業時間のうち5時間がGET(英語教育の有資格者の外国籍教員、本校通称Global English Teachers)とJET(日本人英語教員)のTT(Team-teaching)で、この教科書を中心教材として行っています。毎日の授業は普通教室で行いますが、その話題に関連するインターネットによる映像資料(教科書に付随)も適宜に用いられます。教室は、横浜市内でも先駆的な取り組みで2015年に全教室に整備された電子黒板型プロジェクターをフル活用しています。残り1時間はJETが単独で行う授業で、その週で触れた英語の文法や語法を丁寧に復習していきます。
現在、『TIME ZONES』は、東京と神奈川で採用する学校が徐々に増えてきていますが、本校は教授法の改革と絡めてこの教科書の良さを最大限に生かす工夫で英語教育を展開しています。もちろん、文科省の指導要領に鑑み、本校独自の学年別Can-Doリストを持ちつつの展開です。
また、この教科書の特色としては、家庭でもインターネットを通して『TIME ZONES』に附属する e-learning 教材で授業の予習や復習ができる優れた教材です。

Q:初修の生徒に英語嫌いを生みませんか?
A:英語は言葉です。慣れれば使えるようになるのが言葉です。その「慣れれば」を「慣れる……慣れた」にしてゆくのが授業です。「英語は学ぶ『教科』ではなく、身に付けるべき『生きる力』である」として楽しく習得していきます。とは言え、残念ながら英語嫌いはいます。しかし、本校内比較で従来の教授法での授業よりはるかに英語嫌いは減り、一部であると感じています。中学1年生は、校長室でお誕生日カードが手渡しされる際に校長から必ず英語の学習について感想を聞かれますが、夏休みが明け、秋になる頃には、「英検で頑張ります!」という自発的な答えも聞かれるようになります。一年間で大きく伸びる英語の力を誰もが実感していると感じています。

Q:生徒のレベルにあっていますか、大丈夫ですか?
A:「生徒の学力の実態から、その方法での英語授業はうまくいっていますか?」という意味のご質問と理解しますが、答えは「大丈夫です」です。
学校実態をご存じの上として、数値的なものとして英検に関して申し上げますと、2017年度の第1回実用英語技能検定(英検)の結果では、3級以上を取得した生徒は、中2生で在籍生徒の26%、中3生で在籍生徒の44%となりました。また、中3での準2級以上の取得者は、在籍生徒の14%になりましたから、多くの生徒が楽しんで学んでいると言えます。まだまだ遠いですが、当面は中3生で準2級以上の取得を50%の学校としたいと思っています。(現在は、英検受験に関しては特別な対策授業を展開しているわけではありません。)
ちなみに、本校の英語に取り組む生徒の雰囲気を知っていただくためにお知らせしますと、今回の第2回英検は全校生徒の半分以上にあたる570名が受験し、そのうち約4割の生徒が準2級以上にチャレンジしました。

以上、質問にお答えしつつ、本校の英語教育についてお話ししましたが、このお話は、明後日10月14日(土)に開催しますオープンキャンパスの保護者向けのプログラムの中の校長講演会でもお話しいたします。

学校長 黒畑勝男