校長のつぶやき(62)アメリカの高校卒業認定が同時にされるDDPの設置


掲載日:2021.10.02

本校は国際化対応とICT教育環境で先進教育を特色としてきましたが、将来の社会環境を考え、on-line教育をオプションで組み込んで国際化教育を一気に加速させます。来年の春から中3生~高3生の希望者を対象として、アメリカ合衆国の高校卒業資格が本校(六浦高校)卒業と同時に認定されるDDP(Dual Diploma Program)を始めます。

アメリカの東北部ロードアイランド州にあるProvidence Country Day School(PCD)とアメリカの最大のデジタルラーニング開発会社Hudson Global Scholars(HGS)が共同で世界24か国に展開するオンラインスクールが、2021年1月に日本国内にオンラインスクール「PCDグローバル・キャンパスJAAC校」を開校しました。本校の始めるDDPは、そのグローバル・キャンパス・JAAC校との提携によるDDPです。

PCDは1923年設立の伝統ある私立中高一貫校で、いわゆるボーディングスクール(大学進学準備校)です。PCDが本校六浦高の18教科を認定する一方で、PCDグローバル・キャンパス・JAAC校がon-line授業で、おおよそ5分野の9科目を課します。授業言語は英語です。アメリカに行かずon-lineで学びます。ライブ授業への出席と授業のレポート作成などのデジタル・セルフ・スタディへの出席で、週6時間の学習プログラムを中3生~高3生の間の2年間ですすめます。必要があればこのほかに週2時間のon-line補習授業もありますが、習い事や塾、予備校に通うという感覚でいいでしょう。DDPのスタート時期は任意です。

高校卒業後に留学進学を目指す場合、高い語学力(英語)の習得と大学の授業に必要なアカデミック・スキルの準備に時間と経費が相応にかかります。本校も海外大学への進学が増えてきていますが、本校在学中にタームまたは1年間の留学をして大学で必要な欧米型の学び方を経験する生徒がほとんどです。そして本校を卒業後、あらためて海外進学の準備をすることが通常です。ただし本校では、本校の先進的な英語教育、主体性とコミュニケーション・スキルを大いに引き出す学習活動、そして土曜日のスーパー・カリキュラム「IELTS講座」などがそうした留学準備に向けた基盤の環境となっていることを自負してきました。しかしDDPを設置することで、より海外進学が身近になります。このDDPでは本校卒業後、アメリカの19の大学の学部への直接推薦による進学が可能です。

2017年には、ハワイの Kapi’olani Community Collegeと特別な推薦進学の枠を提携
修了後、ハワイ大学または関東学院大学への3年次編入が可能です

このDual Diploma Programには勉強面でのサポート体制もセットされており、しっかりとした留学準備になります。DDPはオプション課程なので本校の学費とは別に学費はかかりますが、北米、オセアニアに1年間留学する場合の平均的な経費よりも高くはありません。1年間の海外滞在での保険や諸費用などを含めて考えるとかなり合理的と言えるでしょう。

あらためて強調したいことは、基礎としての本校の英語教育です。開講する学校があまり多くはない「IELTS講座」は当初、本校がUC.Davisの協力で海外大学への進学準備講座としてスタートした校内の講座でした。この講座から海外進学を果たした生徒の実績が確かな英語教育を証明しています。その英語教育に立ってのDual Diploma Programが2022年5月にスタートします。