校長のつぶやき(64)2022年 新年のご挨拶


掲載日:2022.01.01

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

この2年間の断続的な緊急事態宣言で、生徒たちはかけがえのない時間を奪われてきました。しかし、それでも80年前の真珠湾攻撃から始まった閉ざされた青春に比べれば…と思い、六浦は未来を見つめて画策した1年でした。
コロナ禍で否応なく進んだ通信技術の活用。多く人々と同時に意思の疎通が図れるようになりました。本校は早くからのICTの標準化でon-line授業も粛々と進めてきました。しかし、学校が持つ本来の意味を深く考えさせられる毎日でした。学校とは何をするところなのか。学校に集って行うことの意味は何なのか。
同じ空間に集い、同じ時を共有し、一人一人の思いを一つの主張として束ねていく。また、それぞれが個であることを感じる。実態やプロセスを学ぶ。2021年、六浦中・高は学校を強く覚えました。生徒会は画期的な企画を起こしたのです。

2021年六浦祭は、特設のホームページの『関東学院六浦中学高等学校 六浦祭』に結晶しました(プライバシーの関係で限定公開とさせていただきました)。六浦祭期間は一般公開ではなく、生徒たちの活動となりました。それぞれのユニットで集中的に動画制作の活動をしました。
特設ホームページは、コンテスト動画(100秒オリジナル)部門、部活動紹介部門、学年出展部門、クラス紹介部門の4つ、その他で5つのカテゴリーで構成されています。学年出展動画は1年生と5年生の探究活動の紹介です。コロナ禍でもICT活用で止まらなかったプラグマティズム的学習活動の紹介となりました。

六浦祭WEBサイト(限定公開)

100秒動画コンテストは学齢差の多様性を超えるバラエティです。あらゆる「表現」や「パフォーマンス」が集まりました。素朴で純粋な情熱にほのぼのとします。動画制作には大きな教育力があります。「六浦祭2021メーキング」篇が伝えていますが、制作動画は創造的であればあるほど参加者の集中力や集結力、責任感が必要な活動です。出演は、クラス、有志、個人、部活、保護者会ユニット、教員ユニットと様々。内容やテーマは自由。動画は、寸劇、コント、ファンタジー、ほっこりもの、シリアスもの、パロディもの、中央突破根性もの、様々な技巧チャレンジもの、コマ撮りアート、肉体・ちょい芸、楽曲パフォーマンス、〇ックパッド張りのクッキング。びっしりと詰まっています。

制服の仲間入りをしたパーカー

時を同じくして、生徒会は2年間の活動で、生徒自身が必要と考える制服の一つ、ヨットパーカーの制定にも至りました。皆が達成感を感じる嬉しいことでした。2021年、六浦生の表現力と情熱には二つの「そうぞう」力(創造力と想像力)があふれていました。そうぞう力は、生への希求力、素直な期待と希望の力です。感動を心に刻んだことでしょう。
生徒たちが主役の10、20年後の未来を思うとき、屈託のない豊かな感性と純粋な行動力が大切です。出る杭を打つ傾向の強い日本社会に生まれて、ますますボーダーレス化の未来に生きる生徒たちだからこそ、大きく持たせたい主体性、independentな心意気です。

2021年は、次の成長への生徒たち自らの種蒔きの年だったと確信します。2022年、オミクロン株との戦いが続きますが、今年も六浦中・高は進みます。昨年と同様、生徒、保護者、教員、同窓生が一丸となって躍進します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

関東学院六浦中学校・高等学校
校長 黒畑 勝男