校長のつぶやき(70)職業人ガイダンス、リアリティのインパクト


掲載日:2022.08.19

関東学院六浦中・高は、大学での学びを眺めるガイダンスと職業・仕事を考えるガイダンスとを有機的に結んで実施しています。高校での学習は大学受験への準備、高校は大学までの通過点・・・と、狭くとらえてはいけません。その延長線上には実社会への参加があります。社会を意識すること、働くということに意識をつないでいくことが大事です。

先月7月8日に、高校1年生を対象に「職業人ガイダンス」を実施しました。講師の皆さんには、
*社会での仕事とは実際にはどういうものなのか 
*どんな仕事に、どんな考えや気持ちで毎日向かうのか
*働くってどういうことなのか
*仕事をするということはどういう意味を持つのか
・・・という観点からリアルなお話しをいただきました。

今回は13の職業(仕事)、13人の皆様にお願いしました。生徒たちは自分が聴いてみたいと思う仕事について、2つの講座を選択し拝聴しました。

高校1年全生徒が振り返りシートを提出。参加した講座毎に「仕事の内容」「仕事で楽しかったこと・辛かったこと」「自分の感想」「自分のこれからの方向性」の4つの項目でまとめます。202名の回答。予想以上の文量での充実した回答が多く、集約整理に一か月。担当のS先生も毎日汗を流す作業となりました。

生徒の振り返りデータから仕事や項目に関係なく特徴的ないくつかの言葉を挙げてみます…

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★自分以外の人のために仕事ができる人・・・
・・・仕事とは自分のことではなく、人のことを考えて行う・・・
・・・市民のために貢献・・・
・・・「国民を守る」という強い意志を大切に・・・
・・・最も大切なことはアイデアと積極性・・・
・・・仕事をこなせばいいのではなく、環境への配慮も考えて・・・
・・・人を助けることにやりがいを感じるのは、どの仕事でも共通すること・・・

★広い視野を持ち・・・
・・・時代に遅れることなく、いろいろな宗教・文化を受け入れながら、大人になって・・・
・・・多国・・・他文化理解の必要性・・・
・・・異文化理解を深め、何ができるかを探していく・・・
・・・文化が違うことはマイナスではなく、プラスに捉えることの大切さ・・・
・・・これからの世界は自分とは違う価値観や文化を持った人々とかかわる機会が多くなる・・・
・・・機械は「学んだものに対しては、ほぼ間違いがない」が、人間は、「感情や五感があり、そのおかげで助け合い、協力し合うことで難関なことに立ち向かえる」・・・
・・・機械と共存していく中で、AIにはない感情や人ならではのことを大切にして・・・
・・・ロボットにはできないクリエイティブな仕事をして・・・
AIや人工知能が発達しても・・・人間にしかできない将来に残るものを作りたい・・・

★直接的に人を支えるだけでなく、間接的にでも支えることができたらいい・・・
・・・みんなの役に立ちたい
・・・人のために行動できる人間になりたい
・・・自分の方向性は「人のために何かをして、守ること」
・・・誰かを元気づけることができる仕事がしたい
・・・自分が何に貢献したいか、何をしたいのか、この高校生活の中で見つけたい
・・・自分の将来の夢を描き、その実態化に向けた計画的な努力をしたい
・・・長く消費者と関わっていける企業を立ち上げたい
・・・今日の話を聞いて、起業したいと考えた
今まで持っていた、「大学で人生のすべてが変わる」という考えが変わった

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講師の方々は、大きく変わる時代に活躍する現役職業人として、ご自身が感じていらっしゃることを情熱をもって語ってくださいました。生徒は、仕事を通してアイデンティティを確立している人生の先輩の言葉に大きなインパクトを感じたことでしょう。とても良いガイダンスでした。そして私、校長は、副産物もまたとても嬉しいのです。

実は、講師の皆さんは本校の保護者の有志の方々。本校の「職業人人材バンク」へ登録をしていただいた方から現実的なお話を聴く講座です。昨年、ある生徒が語ってくれました。
「講師の方が誰かのお母さんお父さん・・・と思うと、家に帰って・・・自分の親に対して今までにない尊敬の気持ちを何となく感じました。」
校長として学校が「学びを社会に繋ぐ」ことの重要性を説いてきています。家族の中でもその気づきが生まれることは、生徒が将来を考えるためにも重要なことでしょう。

保護者の皆様、ご協力をありがとうございました。たくさんの方々にご登録をいただいております。今後ともよろしく願いします。