中学生対象大学理科実験講座を行いました
掲載日:2023.06.28
6月10日(土)、中学1年生と2年生を対象とした大学理科実験講座が行われました。開講された講座のうち、「湿式法におけるイオン化傾向と触媒のはたらき」を紹介いたします。
今回この講座を担当してくださったのは、関東学院大学理工学部理工学科表面工学コースの田代雄彦先生です。田代先生は、表面工学つまり「めっき」を専門に研究されています。また、めっきは環境に対する負荷の高い様々な金属イオンを用いるので、環境に配慮しためっき技術の開発もされています。関東学院大学とめっきの関係は古くからあり、めっきの技術は現在のエレクトロニクス産業を支えています。昨年度、大学理工学部に新しく表面工学コースが開設され、今年度新しく本講座を担当してくださりました。
初めにイオン化傾向や触媒に関する簡単な説明がありました。参加した中学生にとっては、理科の授業で学習していない内容だったので難しかったと思いますが、丁寧に説明してくださりました。今回の実験では、金属板へのめっきをする際、反応条件によって結果がどのように変わるのかを見るものでした。
参加した生徒を4つのグループに分けて、それぞれのグループに1人ずつ大学院生の方がついてくださいました。めっきをするための工程はいくつもあって複雑でしたが、大学院生の方々が丁寧に実験方法や内容を生徒に説明してくださりました。めっきすることで実験に使用した銅板が、ニッケルの銀色に変化する様子を生徒は見て驚いていました。また、同じ実験をしているのに触媒の有無によって大きく結果が異なることにも驚いていました。また、電気を用いてめっきをする電気銅めっきの実験を行いました。空気を入れて攪拌することで大きく実験結果が異なっていました。化学反応する際の反応条件がとても重要だと生徒は知ることができたと思います。
最後に学び続けることの重要性を教えてくださりました。今回の講義を通して、身の回りの理科に興味を持ち、将来の進路決定に役立つことを願っています。