大学理科実験講座「心拍数の変化を見てみよう」
掲載日:2023.11.09
11月4日(土)、関東学院大学にて中学生対象大学理科実験講座が行われました。今回は、1年生と2年生を対象に開講された講座④「心拍数の変化を見てみよう」を紹介します。
今回の講座を担当してくださったのは、関東学院大学理工学部理工学科電気学系の木村鷹介先生でした。木村先生は、リハビリテーションや介護予防、身体活動量が健康状態に及ぼす影響について研究をされています。また、筋肉の量や質などを測定し、身体活動量や心身機能との関連性についても解析され、これからの高齢化社会において必要不可欠な研究をされています。
初めにデジタルヘルスケアの重要性や心臓の動き、心拍を測定する機器の原理についての講義がありました。デジタルヘルスケアとは、デジタル技術や機器を活用し、健康維持や増進のための行為や健康管理のことをいいます。現在の高齢化社会の中で、病気の予防や早期発見、疾患からの回復にデジタルヘルスケアが活用されており、欠かせないものとなっています。
今回の講義では、心拍を測定する機器と心電図について学びました。心拍を測定する機器の原理は非常に簡単で、光を身体に当て、血管で反射した光を検出することで心拍を測定し、心電図は筋肉が動く際に発生する電気信号を測定します。
最初にマイコンを用いてLEDを光らせ、次に心拍を測定する機器のLEDを光らせ、心拍を測定しました。マイコンを動かすプログラムについての指示は、配付されたプリントに書かれていたのですが、ちゃんと動作するようプログラムを書くのに生徒たちは苦労していました。担当した先生方が丁寧に教えてくださったのでスムーズにプログラムを書くことが出来ていました。その後、測定した心拍に連動してLEDを光らせたり、心拍数の数値を表示させたりする操作を行いました。生徒たちは、自分の心拍のグラフがパソコンの画面に映し出されるのを見て感心していました。
心電図の実験では、両手首と首の付け根に医療用使い捨て電極を貼り、自分の心電図のパソコンの画面で見ることができました。筋肉が発する電気信号を測定しているので、少し腕に力を入れるとすぐにグラフが変化しているのを見て楽しんでいました。
これからは自分自身で身体の状態をチェックし、健康を維持していくことになるようです。それを支えるのがデジタルヘルスケアであり、科学技術です。今回の講義を通して、身の回りの科学に興味を持ち、将来の進路決定に役立つことを願っています。