大学理科実験講座「金属イオンの検出・分離」
掲載日:2023.11.15
11月4日(土)、関東学院大学にて中学生対象大学理科実験講座が行われました。今回は「金属イオンのの検出・分離」という講座を紹介します。講座「心拍数の変化を見てみよう」の紹介記事はこちらです。
講座「金属イオンの検出・分離」をご担当頂いたのは、関東学院大学理工学部理工学科生命学系の飯田博一先生です。飯田先生は、化学と生命科学を融合させた医薬品や化粧品開発の研究をしています。近年では国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」を実現すべく、省エネルギー条件での化学反応の技術開発も行っています。講座のはじめに元素の周期表を確認し、参加生徒の中には、周期表を見たことがある生徒もいました。メダルで馴染みのある金と銀と銅が縦に並んでいることや周期表の見方の
コツなどを教えて頂き大変有意義な時間となりました。今回の実験では、銀イオンと鉛イオンの沈殿・溶解についての実験でした。どちらのイオンも自然環境下において有毒な物質です。性質を知るだけでなく、分離方法を学べる貴重な機会となりました。
試験管に入った銀イオンや鉛イオンの水溶液の中に、水酸化ナトリウムやアンモニア水、塩酸などの試薬を加え変化を観察しました。加えた直後には色のついた沈殿物が生じたものの、加え続けると沈殿がきれいにとける変化が見ることができました。また、変化の様子をきちんと観察するために慎重に試薬を加える生徒の様子も見ることができました。実験の最後には銀イオンを使って鏡を作りました。試験管が鏡になったことに多くの生徒が驚いており、お土産として持ち帰る生徒もいました。加える試薬が一緒でも試験管に入っているものの違いで沈殿物や反応の違いを観察することができ、科学の面白さに触れることができました。この経験を通して、ますます科学に興味を持つことを願っています。