【選択制グローバル研修】長崎研修


掲載日:2024.08.26

本校で実施している選択制グローバル研修の一つ「長崎研修」が、8月3日~6日に行われました。

長崎県は原爆が投下された場所であり、また、キリスト教禁教政策の下でひそかに信仰を伝えた「潜伏」「かくれ」キリシタンの歴史が深い場所でもあります。平和を願うたくさんの人々の思いが募る長崎ならではの研修に、中学2年生から高校2年生までの19名が参加しました。

1日目は、国内に3ヶ所しかないキリシタン神社の1つで、かくれキリシタンの聖地ともいわれる枯松神社や、出津教会、ド・ロ神父記念館などを見学しました。当時の外海地区の人々の暮らしや、貧しい暮らしをする外海地区の人々を救うために生涯を捧げたマルコ・マリー・ド・ロ神父の偉業や当時の様子を知ることができました。キリスト教信者への取り締まりが厳しくなる中でも、信仰を保ち続けたキリシタンの歴史と、外海地区の産業や医療、教育、社会福祉などを生涯にわたって充実させたド・ロ神父の深い人類愛の精神は、生徒の心に深く残ったようです。

2日目の午前中は九十九島パールシーリゾートにて、シーカヤック・ヨットセーリングを体験しました。シーカヤックでは、ほとんどの生徒が初めての経験とのことでパドルの持ち方から丁寧に教えていただきました。まずは陸で前進、ブレーキ、カーブなどの基本操作を確認してから、二人一組でカヤックに乗り、自由に漕いでまわりました。ヨットセーリングでは、沖まで出て40分ほどクルーズを楽しみ、中には実際に帆を引いたり、ハンドルを握らせてもらった生徒もいたようです。太陽の日差しも強く、スタッフの方からも例年よりも暑いと言われていた中ではありましたが、長崎の自然と触れ合い、充実した様子でした。

午後は、長崎のキリスト教布教のきっかけとなった地「平戸」へ移動し、平戸ザビエル記念教会や田平天主堂を訪問し、平戸におけるキリスト教の歴史について学びました。ガイドさんにそれぞれの教会の説明や見所を紹介して頂き、堂内を静かに見学しました。特に、田平天主堂の荘厳な赤レンガ造りや色鮮やかなステンドグラスに目を奪われた生徒も多くいました。

3日目は、自分が学びたいテーマについての自主研修を行いました。初めに大浦天主堂を全員で訪問し、堂内を見学した後は事前に計画した行程に沿って、それぞれ自主的に長崎市内を巡りました。平和公園や長崎原爆資料館、日本二十六聖人記念館、出島、グラバー園などを中心に、長崎のキリスト教の歴史に加えて、「被爆地」としての長崎や長崎の食文化など、様々な角度から長崎を知り、各自学びを深めていました。おみやげも買い、時間通り午後4時に全員帰着しました。

最終日は、有田ポーセリンパークにて手びねり体験を行いました。各自真剣なまなざしでコップまたは茶碗を思い思いに作製しました。その後、大刀洗平和記念館にて平和について学びを深めました。臨場感あふれる朗読や当時の状況をリアルに物語る展示の数々に、同じ世代の若者が「特攻隊」として命をささげざるを得なかった歴史を思い知り、生徒たちは改めて平和と命の尊さについて考える機会となったようです。

この4日間の研修では、主にキリスト教と平和について多くのことを学びました。長崎の歴史を通して、日本の過去と現在を知り、平和な未来のために私たちに今何ができるのか、現地での学びをもとに、研修後も探究していきます。