校長のつぶやき(29)一年間、お誕生日のカードを渡しながら感じたこと


掲載日:2019.03.22

一昨日は2018年度の修了式でした。今年度も中学1年生全員に、お誕生日カードを渡しました。とても楽しいひと時の昼休みになります、校長室…。誕生日の当日渡しにならないことが少なくないのですが、短いメッセージを書いてカードを直接手渡しします。そして、のど飴1個とブルーベリーとレモンの飴からの選択。ブルーベリーが人気。

「校長室では何を聞かれるのか」在任5年目で、この情報は生徒達へほぼ伝わっているらしく、答えを用意してくる生徒も昨年からぼちぼち現れ始めていました。今年度は「構えて」来室する生徒が増えたような気がしています。

Q「…ところで、あなたは英語の授業が好きですか、嫌いですか?答は4択です。①大好き、②好き、③あまり好きではない、④嫌い。どれですか? 正直に答えていいですよ。」

答えが面白いのです。得意な生徒は、今の取得級を誇って語ってくれたり、次に何級を受けるのかを語ってくれたりもします。苦手と言う生徒は少ないのですが、中には気まずそうにしながらも、その理由を説明する生徒もいます。「あまり好きじゃないですけど(モジモジ…)、、、、社会人になるときは英語が使えないと仕事ができないこともあるので、好きになろうと努力しています。」

「英語は生きる力です。英語は教科ではありません。試験のために勉強するのではない。社会に出る時のために……。10年後、社会は大きく変わっていて……だから、好きになろうと頑張っています。」

うむ? どれも、私がいつも話していることじゃないか?!

これは、校長による洗脳教育か?!いいのです。洗脳でいいのです。この20年間、アジア諸国の学校を訪問する毎に、ますます日本の深刻さを実感してきましたから。これから先の社会を考えれば、英語は試験科目という考え方をしないことが重要でしょう。どうかするとまだ日本はグローバル化の時代だ、だから英語教育だ!というレベル。それは今やもう的はずれ。英語はグローバル化を考える上での当たり前で、話題にするのがおかしな時代なのですから。英語教育は変わって当たり前なのです。しかし、試験はあります。当然、当たり前のスタンダードとする力のレベルが問題になりますから運用力をつけなければなりません。

「毎日、家のパソコンで勉強してます…」。これは嬉しい! 高校1年生までの英語の教科書には付属のe-learning 教材があります。Listening とSpeaking の自学環境をどうやって日常に埋め込むのか。2018年度、中2から高1まで個人持ちのノートパソコンを教具としています。英語も、パソコン(Chromebook)も静かなる本校のチャレンジ、進化です。

先日の女子生徒との問答。答えの概略。
「*最初は苦手と思ったけれど今は好き。*どんどん聞いて分かるようになってきた。*留学したい。*行くまでにもっと上手になり、色々なことを学んできたい。*英語を普通に使う仕事をしたいから。」

さて、この応答内容で感じたことは、この答え方には本校の英語教育もいくらか影響しているだろうということ。つまり、英語でのコミュニケーションでは、述べる一文に理由や因果関係の説明を込めることが多く求められます。英語授業の中でのGET(Global English Teachers)と生徒の応答では、その習慣づけを自然と行っています。中1は、週6時間中5時間がCLIL&TT授業でその成果もあるはず。そしてまた、定期試験ごとにGETによる、生徒全員に対する個別の英語による「面接試験」があって……こういう学校はそうそう無いです……双方向のコミュニケーション力が問われるインタビュー内容。で、話せるようになるわけか…、と考えるわけです。

実は、お誕生日のカード渡しをしながら、「英語以外で教科は何が好きですか?…どんな先生ですか?…教え方は?」とか、他に見えることも聴けることもいっぱいあります…。のど飴…。「学校へのお菓子持ち込み禁止」の約束を校長が破っています。すみません。